雛祭りは女の子の健やかな成長を願って行う節句の年中行事です。今回は雛人形の飾り方や時期についていつから飾るのかをご紹介します。
お雛様を飾って、白酒やお寿司を食べて楽しむのが一般的です。
さて、そんな雛祭りのメインとも言えるお雛様。飾り方や飾る時期はご存知ですか?
日本全国で行われている雛祭りですが、飾り方やいつから飾るのかは地域性があるようです。
雛人形の飾り方で時期といつから飾る?
初めてのお子さんの初節句だと、両家のご両親から色々言われて困ってしまうママさんも多いようです。
特に飾る時期については「遅く出すと嫁に行くのが遅くなる」などと古い迷信を信じてうるさく言われることもあります。
ですが、飾る時期については地域によって違うので、住んでいる地域の風習に合わせて行うのが良いのではないかと私は思います。
お雛様を飾る時期
雛祭りは一般的に3月3日です。しかし、地域によっては旧暦で行うこともあり、その場合は1か月遅れの4月3日になります。
4月に行うのは北陸や東北に多いと言われていますが、私の住む岡山でも4月に行います。
ただ私の父方は4月で、母方は3月だったそうです。同じ県内でも違うというのが不思議ですね。
多くの地域では3月3日に雛祭りを行うので、その場合に雛人形を飾るのに適した時期は、節分の次の日から2月の中旬までの間に飾り始めます。
「大安と雨水」でいつから飾る時期を考えよう
雛人形は節分の次の日から2月の中旬までに飾ればいいのですが、その期間の中でも「大安」と「雨水」に飾るのが特に良いとされています。
大安は暦の中でも有名な暦注の六曜のうちの1つです。
六曜には「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」があり、日にちにはそれぞれの六曜が振り分けられていて、運勢や縁起を象徴しています。
カレンダーには六曜が書かれているものがありますね。大安は六曜の中でも最も縁起が良いとされ、大事な行事は大安に行うのが良いという風習があるのです。
ちなみに2017年の大安の日にちは2月7日、2月13日、2月19日、2月25日です。
雨水は二十四節気の1つです。
二十四節気とは一年を24の季節に割り振るもので、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」「春分」「夏至」「冬至」なども二十四節気のうちの1つです。
雨水は、雪が雨に変わり、春に向かっていく節目とされていて毎年微妙に日付が変わるのですが、2017年は2月18日から3月4日です。
この雨水の期間にお雛様を出すと「良縁に恵まれる」と言われています。
雛人形の飾り方で飾る期間は決まっているの?
雛人形を飾る期間ですが、これも地域によって違いがあるようです。
最低でも2週間は飾るようにしたいですが、長いところは3か月ぐらい飾っているそうです。
一般的な飾る期間は
雛人形を飾る期間は地域によって様々ですが、最も一般的な考え方としては、節分の次の日から3月3日のお雛祭りが終わった後のお天気の良い乾燥した日とされています。
なぜお天気が関係するのかというと、雛人形は絹の使用量が多く、絹にとっての大敵「湿気」を避けることが大切だからなのだそうです。
長く飾る地域もある
早くからお雛様を出す地域では、松ノ内が明ける1月8日からお雛様を出すそうです。
そして片付ける時期はお雛祭りが終わった後なので旧暦で行う地域では4月3日以降です。
3か月もお雛様を飾ることになりますね。
ちなみに我が家は2月4日に出して、4月3日以降に片付けます。
雛人形の飾り方に意味はあるの?
お雛様は、お道具も多く飾るのもなかなか大変ですね。でもそれぞれに意味があるのです。
子どもと飾っていると「これ何?」とよく聞かれますよね。
その時にお人形やお道具の名前だけでなく意味まで教えてあげられると素敵ですね。
雛人形の飾り方と意味
最上段はお内裏様を飾ります。お殿さまとお姫さまは、夫婦の理想像である天皇さまと皇后さまのような良縁に巡り会えますようにという願いを込めて飾ります。
一般的には向かって左側にお殿さま、右側がお姫さまを飾りますが、京都では逆になるそうです。
参考サイト>>雛人形の飾り方、左右どちらに並べるの?京都と関東の並べ方は?
上から2段目は三人官女です。両脇が立ち姿、真ん中に座り姿の雛人形を飾ります。
よく見ると中央の座っているお雛様は眉がありません。これは既婚者だからなのだそうです。
持ち物は向かって右から、長柄銚子、嶋台、加えの銚子または提子という順番になります。
上から3段目は五人囃子です。打楽器に笛を加えた能楽の囃子で、音の大きい順に向かって左から太鼓、大鼓(おおかわ)、小鼓(こかわ)、笛、謡と並びます。
上から4段目は隋臣です。家や人を守る右大臣と左大臣で、老人と若者で1組になっています。文武両道という意味を持っています。
右大臣が若者で力を表し、左大臣の老人は学問と知性を表しています。
上から5段目は仕丁です。泣き上戸、笑い上戸、怒り上戸の3人一組でお世話がかりをしています。
持ち物は御所の掃除道具の箒、塵取、熊手です。
お道具の飾り方と意味
お道具にはお雛様を引き立てるための小物ですが、それぞれに意味があります。
最上段に飾る三宝(さんぽう)は神事に用いた神饌(しんせん)の道具が、桃の節句と結びついたものなのだそうです。
2段目に飾る高杯(たかつき)は身分の高い人に献上するときに使う器で、紅白のお餅や和菓子を乗せます。
4段目には御膳(おぜん)と菱台(ひしだい)を飾ります。菱餅は一般的には、白、緑、ピンクの3層になっていて、白は雪、緑は草木、ピンクは花を表していて、白い雪から緑の芽が出て花が咲くという様子を表現しています。
5段目には橘と桜が飾られます。右近の橘、左近の桜と言われ、京都御所の庭に植えてある様子を表現しています。
6段目と7段目に並ぶお道具は、箪笥(たんす)・鋏箱(はさみばこ)・長持(ながもち)・鏡台(きょうだい)・針箱(はりばこ)・火鉢(ひばち)・茶道具(ちゃどうぐ)・御駕籠(おかご)・重箱(じゅうばこ)・御所車(ごしょぐるま)と多くありますが全てお嫁入りの道具です。
まとめ
雛人形のお道具にもそれぞれ意味があったんですね。それを知ると雛人形を飾るのも楽しくなりますね。ぜひお子さんにも教えてあげてくださいね。ちなみに雛人形を飾る向きには特に決まりはないようですが、お内裏様は天皇さまと皇后さまを表しているので、天皇さまが南向きに座ることから南向きが良いとされているそうですよ。